まだ、子どもだった頃、家の柿の木に実がなったことがあった
桃栗3年柿八年
八年という月日は当時の私には宇宙にいくほどの遠い時間だった
やっと実ったほんの数個の柿のみ
うれしかった
祖母の「どうせ渋柿だよ」
という言葉には耳もかさず、柿を食べてみた
口の中いっぱいにまとわりつくように広がる嫌な感覚
その時、初めて渋いという言葉の意味を知った
柿に花が咲くことを気づきもしなかった
遠い秋の思い出
田舎の一件家さんの柿は食べてよし、干し柿にしてよしの優れものです
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