高塚由子 の 水彩画 魔法の筆

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想定外の姿*枇杷の蕾 vol.246

19歳まで庭のある家に住んでいた
隣が祖父母の家で庭が繋がっていたので庭続きの家と呼んでいた
祖父母の家の庭は年に数回植木屋が入り、手入れが行き届き
大きな瓢箪池に四季折々の花や木が映り、祖父は縁側に座り

満足げにいつも眺めていた


私の両親は全くと言っていいほど無頓着で殺風景な庭だった
一本だけ植わったほったらかしの枇杷だけがグングンと育ち
高校生の頃には平屋の屋根をゆうに超える高さまで成長した
大きく広がった枝に初夏になるとたくさんの枇杷の実がなっていた


けれど私は枇杷の花も蕾も知らずに育っていた
枇杷の木に蕾ができて花が咲き実になるまでの途中の姿は全く記憶にない


田舎の一軒家さんからの写真を見て初めて枇杷に白くて小さな花が咲くことを
知った。
蕾は全く想定外の姿・・・・


今はもうない枇杷の木に申し訳なかったなと思いながら筆を運ぶと
食べきれないほど収穫して頬張った時のほとばしる汁の甘さの後に
姿を現す艶々の大きな種を思い出した。


田舎の一軒家さんの枇杷の木は私の記憶のなかの枇杷の木とは
比べものにならないほど立派です↓




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