好きな道がある
10年近く毎日通った道
春になると雪柳の花が溢れ出るように咲いていた
遥かずっと先まで続く白さは
雪の白というより
青い海が砕ける瞬間に白に変わり
繰り返し打ち寄せる波のように見えた
春の風は強い
耳に吹き付ける風の音は海辺の風の音に似ていた
ヒュー、でもなくビュウビュウでもなく、ピューピューでもない
潮の香りを運ぶ海辺の風の音
春が来るたびに雪柳の見事な姿は裏切ることなく美しかった
田舎の一軒家さんの庭に咲き乱れる雪柳が懐かしい道を思い出させてくれました
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